巨人・菅野投手はタイトルを取れないかも!?そして最多勝の本命はメッセンジャー投手と二年連続で菊池投手?記録からみるジンクスとは
2018シーズンのタイトルは誰が獲得するのか?
そんなことを予想し始めた時に少し気になるデータがあった
まず昨年の最優秀防御率のタイトルを手にしたのは
セリーグでは巨人の菅野智之投手
パリーグでは西武の菊池雄星投手
だった
成績を見ると
菅野智之:防御率1.59 17勝
菊池雄星:防御率1.97 16勝
菊池投手にとっては初の投手タイトルを獲得であった
菅野投手においては3回目の最優秀防御率
(2014年、2016年~2017年)
初の最多勝を獲得とエースとして安定した活躍を続けている
2018シーズンも怪我なく活躍をすれば菅野投手は複数の投手タイトルを争うことになりそうである
いったい何個のタイトルを取るのだろうか・・・
しかしセリーグにはそんな菅野投手の投手タイトル獲得に暗雲を示すジンクスが存在している
まず2017シーズンの最優秀防御率を獲得した2投手の防御率は
上に書いた通り
菅野:1.59
菊池:1.97
である
2017シーズンで規定投球回に達した投手の中で防御率1点台なのは両リーグを見ても菅野投手と菊池投手のみ
このように両リーグで防御率のタイトルを手にした投手のみが
規定投球回以上の投手の中で唯一となる防御率1点台だったというのは過去7回あった
それは以下の7年
1953年 セ:大友工 パ:川崎徳次
1960年 セ:秋山登 パ:小野正一
1967年 セ:権藤正利 パ:足立光宏
1968年 セ:外木場義郎 パ:皆川睦男
1969年 セ:江夏豊 パ:木樽正明
2006年 セ:黒田博樹 パ:斎藤勝巳
2009年 セ:チェン パ:ダルビッシュ有
上記の投手のほぼ全員が他にもタイトルを手にするなど当時のリーグを代表する投手としての活躍を見せていた
ではそんな投手らの翌年の投手タイトルの獲得状況はどうであったか
それはこうなっていた
1954年 大友工&川崎徳次 -投手タイトルなし
1961年 秋山登&小野正一 -投手タイトルなし
1968年 権藤正利&足立光宏 -投手タイトルなし
1969年 外木場義郎&皆川睦男-投手タイトルなし
1970年 江夏豊&木樽正明 -投手タイトルなし
2007年 黒田博樹&斎藤勝巳 -投手タイトルなし
2010年 チェン-投手タイトルなし
2010年 ダルビッシュ有-最優秀防御率&最多奪三振
となっている
このようなケースの場合、セリーグでは前年の最優秀防御率タイトルの投手は誰も翌年タイトルを手にしていなかった
パリーグにおいても数年前にダルビッシュ投手によってジンクスが打ち砕かれたばかりである
そもそも個人タイトルを獲得できること自体が限られた選手のみの栄光なので
1人の選手が何年も続けてタイトルを取るというのは、もちろん多くないことだが
このようなジンクスが続いている現状を見ると何だか不気味である
ちなみに1970年の江夏投手はリーグ最多の奪三振を記録しているが当時は奪三振のタイトルは無し
同じく1970年の木樽投手は投手タイトルは無かったもののMVPとベストナインに選ばれてはいる
このようにパリーグでは木樽投手のMVPやダルビッシュ投手の2年連続の防御率タイトルは出ているがセリーグでは・・・
日本代表のエース格投手として活躍している菅野投手だが2018年の投手タイトル獲得はいかに
このジンクス通りにタイトルは無いのか
それともこんな細かなジンクスなどものともせずタイトルを獲得するのか気になるところである
ー最多勝の本命は二年連続で菊池投手でセリーグは阪神・メッセンジャー投手!?
次に最多勝のタイトルについてみてみる
まず昨年の最多勝は最初に書いた通り
そして2年前の最多勝はこうであった
セ:野村祐輔(広)16勝
パ:和田毅 (ソ)15勝
つまり2年連続でセリーグ最多勝投手の方がパリーグ最多勝投手の勝利数を上回っている
過去の成績を通してみてもパリーグ投手のほうがタイトル獲得者の勝利数はセリーグ投手を上回っていることが多い
しかしセリーグ投手のほうが勝利数が多いという珍しい状態が2年続いた
2年以上連続でというケースは、なんと約20年ぶりの記録となり21世紀では初であった
では平成以降、2年以上連続でセリーグ投手のほうがパリーグ投手より勝利数が多かったケースを挙げてみる
まずは元年から
セ | パ | |||
1989 | 斎藤雅樹(巨) 西本聖(中) | 20勝 | 阿波野秀幸(近) | 19勝 |
1990 | 斎藤雅樹(巨) | 20勝 | 渡辺久信(西) 野茂英雄(近) | 18勝 |
翌年の1991年に最多勝に輝いたのは
セリーグでは広島の佐々岡投手(17勝)だが
(ちなみに野茂投手は1993年まで4年連続で最多勝を獲得)
次は1994年以降
セ | パ | |||
1994 | 山本昌(中) | 19勝 | 伊良部秀樹(ロ) | 15勝 |
1995 | 斎藤雅樹(巨) | 18勝 | グロス(日) | 16勝 |
巨人のガルベス投手と斎藤雅樹投手の16勝だった
そしてパリーグでは前回のケースと同じく2年連続でグロス投手(17勝)となった
次に1997年からだが
ここは3年連続となっており
セ | パ | |||
1997 | 山本昌(中) | 18勝 | 西口文也(西) 小池秀郎(近) | 15勝 |
1998 | 川崎憲次郎(ヤ) | 17勝 | 西口文也(西) 武田一浩(ダ) 黒木知宏(ロ) | 13勝 |
1999 | 上原浩治(巨) | 20勝 | 松坂大輔(西) | 16勝 |
となった、そして翌年の2000年
中日のバンチ投手(14勝)であり
パリーグはこれまた2年連続で松坂投手(14勝)であった
つまり、最多勝投手の勝利数がセリーグ投手の方が多いという状況が2年連続以上で続いたのが終わる時
最近ではパリーグ投手の2年連続での最多勝というケースが続いている
これが今年も続くなら西武の菊池投手が2年連続で最多勝!?なんてことになる
(今年もセリーグ投手のほうが勝利数が多くなると、このジンクスは来年に持ち越しなのだが・・)
そしてセリーグの方をみると
このようなケースが終わった時は最近では外国人投手が最多勝に輝いていた
もしこのジンクスが続くなら外国人投手が最多勝を獲得することになる
阪神のメッセンジャー投手は残り16勝で日本通算100勝を達成する
もし今シーズンに100勝を達成するのであれば最多勝にかなり近づくであろう
2014年に一度、最多勝のタイトルを手にしている実績もあるし今シーズン途中には国内FA権を手にし来年には日本人登録扱いとなるメッセンジャー投手
4年連続で開幕投手にも指名されており今シーズンへの意気込みは高いようである
メッセンジャー投手の個人タイトル争いに注目したい